しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

スケールの違うチャイナ ヒマラヤ山脈を爆破せよ? 中国地理の雑学いろいろ

おとなりの国、中国は、国土面積が約960万平方キロメートルと、日本の国土面積の26倍もあります。

 

国がべらぼうに広いので、ありとあらゆる数字や地理の概念が、日本のそれとはケタ違いになっています。

 

ここでは、そんな日本の常識ではちょっと考えられない、スケールの大きな中国の地理のはなしをします。

 

  

 

 

海抜最高地点

 チョモランマ 8848m

現在もインド亜大陸に押されて年間数ミリずつ高くなっている。

 

海抜最低地点

 新疆ウイグル自治区のトゥルファン 海抜-154m

シルクロード沿線のオアシス都市です。

 

史上最高気温

50、5度 トゥルファン 2017年 (日本は熊谷の41、1度)

やはり海抜が低いと気温が高くなります。

 

史上最低気温

ー52、3度 漠河 1969年 (日本は旭川のー41、0度)

中国の北端で、シベリア寒気団の影響をもろに受けます。

 

(参考:ウィキペディア

 

 

 <漠河>

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2月のあたま、中国の北のはずれ、漠河では冬真っ盛りのころ(真っ盛りどころではない)

 

<三亜>

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南のはずれ、三亜ではまだバカンスができる。

 

また、

 

8月のトゥルファンでは夏真っ盛りのころ(やはり真っ盛りどころではない)、

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北の漠河では冬が始まろうとしている。

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トゥルファン、漠河、三亜の位置関係


最長河川

長江 約6300キロメートル (日本:信濃川367キロメートル)

世界第3位の長さを誇ります。

 

流域面積

長江 約180万平方キロメートル (日本:利根川1、7万平方キロメートル)

長江は沿岸部に豊富な水資源を提供しています。ちなみに黄河は乾燥地帯を流れているため、川の長さは長いものの、水資源はそこまで豊富ではありません。

 

 

人口

日本の人口は約1億2000万人。現在世界中で11番目に人口の多い国となっています。国としてはかなり人口が多いほうですね。

 

こちらをご覧ください。

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山東省と広東省

2017年の山東省の常住人口は約1億人、同じく広東省の常住人口は1億1000万人を超えています。

 

もしこのふたつが省ごと独立したとしても、国としては相当数の人口を擁することになりますね。

 

さらに広東省は周辺地域からの出稼ぎ労働者の一大受け入れ地となっているため、先ほとの1億1000万人の常住人口に加えて、3000万〜4000万人の流動人口がいると言われています。

 

つまり、現在広東省に住んでいる人口は、1億4000万から1億5000万人。ひとつの省だけで軽く日本の人口を超えてしまうのです。

 

 

ちなみに山東省の面積はおよそ16万平方キロメートルで、日本の東北・関東・中部地方を合わせたくらいの大きさ。また、広東省の面積は約18万平方キロメートルで、東北・関東・中部地方に近畿を足したくらいの広さです。

 

 

 

省の面積

 

中国の省レベルの行政区分の中には、日本よりも大きな省、自治区が8つあります。

 

中国北部や西部の内モンゴル自治区ウイグル自治区チベット自治区青海省は見るからに面積が日本よりも大きいのがわかります。日本の面積の3〜4倍あります。

 

残る4つの省は、意外に日本よりもでかい省です。地図上で見てもはっきりとそうは見えません。

 

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日本の国土面積は約37万平方キロメートルで、約39万平方キロメートルの雲南省よりも少し小さい。

 

次に大きいのが甘粛省で45万(略)、黒龍江省の47万、四川省は49万あります。

 

先ほど出てきた青海省が72万、内モンゴル自治区が118万、チベット自治区が123万、新疆ウイグル自治区が一番大きく、166万もあります。

 

ここまで大きい数字になってくると、37万しかない島国で生まれ育った者としては全く理解不能な広さになってきます。

 

 

山を吹き飛ばす

 

新潟出身の田中角栄はかつて日本列島改造論を盛んに推し進めていたころ、「谷川岳を切り崩して佐渡島と本州の間を埋め立てる、そうすれば新潟にも大雪が降らなくなる」などという斬新な計画をぶち上げたそうですね。

 

じつは中国にも似たようなことを言った人がいます。

 

それがかの毛沢東です。

 

毛沢東は、「ヒマラヤ山脈を爆破してしまえばインド洋の季節風が西北部の乾燥地帯に雨を降らせて、砂漠地帯の水問題を解決できる」と言ったことがあるとか。

 

ごめんなさい。どこで読んだのかはっきり覚えていないのですが、たしか『ワイルド・スワン』の中で見たような記憶があります。

 

中国語で検索してみると、これは一昔前の企業家で、元億万長者である牟其中が言い出した計画だ、ということになっています。

 

誰が言ったにしろ、中国にはこういう言論があるのです。

 

発想のスケールが圧倒的に違います。

 

やはり大陸型の思考とか島国型の思考とかそういうものがあるのかなと感じました。

 

切り崩した土はどうするのか?これも記憶が曖昧で申し訳ないのですが、台湾海峡を埋め立てて台湾に攻め込む、とか?

 

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ヒマラヤ山脈谷川岳

 

中国にはなくて日本にあるもの


中国はその広大な国土の上に、標高8848mの雪山からー154mのオアシスまで、熱帯雨林から砂漠からタイガまで、ありとあらゆる地形を取り揃えています。

 

こうして地理的に見ると、中国にはなんでもかんでもあるように見えてしまいます。

 

じつはそんな中国にも、日本では当たり前の、あるものが存在していないのです。

 

 それは、

  1. 活火山
  2. 海に沈む夕日
  3. 大雪

 私の現在知る限り、この3つが中国では見られません。

 

1の活火山。中国にも火山の跡や噴火口などは各地に点在していますが、現役の火山というのは今のところありません。日本のように年がら年中どこかで山が噴火しているというのも案外珍しがられるかもしれませんね。

 

2の海に沈む夕日ですが、これは中国がユーラシア大陸の東端に位置しているため、致し方のないことです。しかし、全く見られる場所がないかというとそういうわけではなく、海南島の西側や遼東半島の一部では方角的にどうやら見られそうです。それでも広い中国からしたらほとんど見る場所がないに等しいです。

 

3大雪。日本は世界一の豪雪地帯ですので、そうそう雪の激しさで日本にかなう場所はありません。

 

 

以上になります。

 

日本にずっと住んでいると、日本の大きさに慣れてしまうものです。

たまに中国に遊びに行って、地球の広さを実感してみてはいかがでしょうか。

 

次回はこれまたスケールの違う中国の鉄道についてまとめてみたいと思います。