しぼりたてチャイナ

何かとディープな中国の知られざる魅力を、無限に生しぼりしていくブログです

中国旅行で注意したい「治安・安全・衛生」について【2019年完全版】

 

海外旅行へ行くとなるとやはり、その国の治安や安全について気になりますよね。

 

中国の治安について、皆さんはどういうイメージをお持ちでしょうか。あまりいいイメージはないかもしれません。

 

中国で暮らして4年目になる私の感覚から言わせていただくと、全体的に見て、中国は日本よりも治安がいいのではないかと感じています。危険なことはまずありません。

 

「警察力」がすみずみまで行き届いている、といった感じでしょうか。タイやベトナムに旅行する勇気があるくらいなら、中国なんて余裕だろうと思います。

 

ただし、個別な点を見てみれば、日本の方が勝っているところもあれば、中国の方が勝っていると感じるところもあります。

 

今回はそんな、旅行する前にチェックしておくと安心できる、中国の治安・安全・衛生情報について、思いつく限りまとめて見ました。

 

 

日本と中国とでは少し事情が違うところもあるので、ぜひ旅行前に参考にしていただけたらな、と思います。

 

 

 

治安編

 1、スパイ容疑

最近、スパイ容疑で逮捕される日本人が少し話題になっています。しかし、普通の旅行へ行くぶんには全く心配する必要はないでしょう。むしろそんなことを警戒するのは自意識過剰であるとすら言えるかもしれません。

 

拘留されてしまった人たちはみな、農村部で現代史のフィールドワークをやっていたり、普通は入れない軍港に入って行って撮影を行っていたりと、普通の旅行の範囲を超えたことをしていた人たちなので、普通に旅行をしていてどうにかされてしまうということはありません。

 

それでも心配な人は、1、軍関連の施設を撮影しないこと 2、もしもそうと知らずに撮影してしまったら、素直に指示に従って写真を消去すること 3、おまわりさんにたてつかないこと 以上の3つを守っていれば、何の理由もなしに連行されてしまうことはないでしょう。

 

実は私も、中国へ来た当初は、自分は政府の監視下に入って生活している、自分は常に見られているんだ、という強迫観念に縛られていたことがあるのですが、完全に自意識過剰でした。「中国在住の外国人」ということで、多少は管理されているのかもしれないとは思うのですが、基本的に完全な放牧状態です。もう少しかまって欲しいよ、と思い始めているくらいです。

 

2、すり、置き引き、泥棒

盗みは意外にも、私の身の周りではほとんど起こりません。

 

以前、上海にいたときに「南京路のように人の集まる場所ではカバンは前に持って、スリに注意しなくてはいけないよ」と注意されたことがあるのですが、今の中国ではそこまで警戒が必要だとは思いません。

 

私はよく、リュックサックのチャック閉め忘れて、後ろがば開き、サイフ丸見え状態で駅を歩いてしまうことがあるのですが、それで何か盗まれたことは一度もありません。むしろ「チャック空いてるよ」と教えてくれる人がいるほどです。

 

お店に置き忘れたサイフなども、思い出したときに取りにいけば、だいたいはとっておいてくれています。

 

今ではどこにでも監視カメラが設置されていますから、公の場でものを盗むというのは、リスクが大きすぎるのかもしれません。

 

そういえば大学のキャンパス内で半年間くらい自転車を鍵なしで乗っていたのですが、それでも盗まれませんでした。(最後は盗まれましたが)

 

この辺が、中国はすごく安全だな、と感じるところです。

 

3、詐欺

少額ですが、私も何回か騙されてしまったことがあります。

 

列車の駅で、チケットの買い方がわからないから、と言われて代わりに買ってあげたら、後で連絡がつかなくなってしまったりだとか。駅を出てタクシーに乗ったとき、目的地がすごく近いにもかかわらず街を一周回ったあげく高いお金を要求されたりだとか。

 

特に騙されやすいのが、列車の駅から外に出たところです。ホテルや白タクの客引きが非常に多いです。(大都市の大きな駅では、客引きがきちんと取り締まられて、一掃されているところもあります)

 

私の教訓としては「向こうから声をかけてきて、ぐいぐいくるような人は全部無視する」ということでしょうか。お人好しで立ち止まってしまうと、話術にはまってどんどん逃げられなくなっていきます。

 

夜中に空港へ降り立った時などには、まだバスがある時間帯なのにも関わらず「最終バスもう行っちゃったから、俺の車に乗っていけ」などと、あることないこと言ってきます。

 

もしもタクシーに乗りたいなら、ちゃんと正規のタクシーに乗りましょう。自分のいきたいところまでの金額の相場がわかっていて、なおかつ交渉ができるときには、必要に応じて白タクを利用してもいいかもしれませんが。

 

4、夜の街

中国の夜の街について私が思うのは、日本の夜の街よりもずっと平和だということです。

 

酔っ払って絡んでくる人はまずいませんし、チンピラも全然いません。その辺で喧嘩がおっぱじまるようなこともありません。

 

そもそも中国では早寝早起きの観念がかなり強いので、夜の11時をすぎると通りに人がいなくなります(夜の遅さは都市によって大きく違いますが)。12時をすぎると「徹夜」になるので、大部分の人が就寝します。

 

夜の2時3時に街へ出ると、車も人もすっからかんで、もはやすがすがしいくらいです。

 

日本人は本当に夜寝るのが遅いんだなあ、といつも思っています。

 

5、変なおじさん

いくら夜が平和だとはいえ、女性が深夜に出歩くのはやはり警戒した方がいいでしょう。北京で深夜に変なおじさんにずっとあとをつけられて怖かったという友人がいます。

 

なぜか不思議なことに、私は北京でよく変わった人に出会います。どうせみんな私のことを頭おかしいと思っているんでしょう、と泣き叫んで、スマホを投げ捨ててマックを飛び出ていくお姉さんや、自分は実は小さな天使なんです、と自己紹介してくるおばちゃんに出会ったりしました。

 

不思議なことに、こういうことに出会うのは北京オンリーです。あまりにも無機質に都市化してしまった代償なのでしょうか。

 

6、本の検閲

香港から陸路で中国大陸に入るときには、普通のX線の荷物検査とは別に、ランダムの荷物チェックがあります。

 

10人から20人に1人くらいの割合で引き止められるでしょうか。近くのテーブルで「政治関係」の本を所持していないかチェックされます。ですので、中国政府発禁本は持ち込めないようになっています。

 

ただし、検査と言っても荷物の中身を出して所持している本をささっと見せるだけであって、本の中身についてすごく厳密なチェックをされるわけではありません。(日本語の本は相手にされません)

 

私は形相が悪いためか、ここで毎回のように引き止められます。

 

その他のルートで入国する際にはこういう検査はありません。

 

7、テロ

中国国内でも、いっときテロがよく発生していた時期がありました。

 

しかし皆さんもご存知の通り、中国政府はテロ対策に特に力を入れて取り締まっています。地下鉄に乗るのも安全検査、列車の駅に入場するのにも安全検査。空港へ入場するのにも、空港から出るのにも安全検査を通過しなくてはいけないところまであります。

 

テロについても、特別警戒する必要はないと思います。

 

8、日本人嫌い

これは、初めて中国に行く人にとって、誰もが気になるポイントだと思います。

 

私が初めて中国へ行った時も、ちょうど反日運動が絶好調だった2012年のことでした。そのときは、いろいろな人から「日本人だと口にしてはいけない」「もし聞かれたら韓国人だと言いなさい」と警告されました。

 

そして中国語もよくわからないまま2週間滞在したのですが、結局すぐに嘘をつくのがめんどくさくなってしまい、「私は日本人」で突き通しました。でも日本人だからと言って特にどうということもなく、出会う人出会う人に親切にしてもらいました。

 

それは2019年の現在でもあまり変わりません。「日本から来た」と言うと、日本から来たの!?ってひっくり返ってくれる人もいれば、自然体でノーリアクションの人もいます。

 

たまに南京大虐殺って聞いたことある?」とかしたり顔で聞いてくるおじさんもいるにはいるのですが、何か直接的な、個人的な怒りが目の前にいる日本人にそのまま向かうようなことはまずありませんので、安心してください。もし何か特別な感情があったとしても、それは間接的なものであって、それを目の前にいる現代の日本人にどう言おうと、ほとんど意味をなさないことをみんなわかっています。

 

全般的に言って、中国人は日本人に対してみんな優しいです。

 

9、その他

中国も日本と同じで、子供が連れ去られたりとか、なにかと物騒なニュースがよく出回ります。なので「外ではくれぐれも安全に注意しなくてはいけない」という意識は中国人の中にも強くあります。むしろ、中国に旅行へ行くような日本人にとってみれば、それって警戒しすぎなんじゃないの?と思うようなこともあります。旅行は必ず誰かと一緒に行きなさいとか、家に着いたら必ず連絡しなさいとか。

 

外は怖いから、1人で旅行に行く勇気がない、という若者も中国では意外と多いです。

 

安全編

10、交通

徒歩

道路を渡る際には、車が日本とは違って右側通行であることに注意しましょう。つまり、渡り始めのときには左側から車がやって来ます。

 

そしてもっとも危険なのが、中国では信号が赤でも車は右折ができてしまうことです。これは日本の常識からいうとありえないような運転なので、横断歩道を渡る時には左側をよく見て注意してください。

 

車、バス、タクシー

中国は一般的に日本よりも車の運転が荒いと言われますが、実際のところ都市によって運転の性格が違うのが実情です。日本と同じです。

 

浙江省慈溪市などでは歩行者が道を渡ろうとするそぶりを見せるだけで、かなり遠くの方から車が止まってくれるので、感動してしまったほどです。

 

でも、やっぱり運転が荒っぽい場所の方が多いので、よく注意するようにしましょう。

 

自転車

できるだけ車道の右側を通行しましょう。

 

電動バイク

中国ではデリバリーがものすごく発達しているので、お昼ご飯時などは、音のしない電動バイクがガンガン飛ばしまくっています。歩道を走ってきたりすることもあるのでぶつからないように注意しましょう。

 

普通のバイク

バイクに乗せてもらう時にはしっかりとつかまりましょう。普通はお尻の下に持ち手があります。3人乗りもできますが、そういう時には、よりしっかりとつかまるようにしましょう。

 

11、大気汚染

大気汚染についてはこちらで詳しく紹介しています。

namashibori.hatenablog.com

12、危険生物

中国南部へ行くと、街中の茂みなどに大きなネズミがいることがあります。たまに人を怖がらない、態度のでかいネズミもいるので、噛まれないように注意してください。食べ物を持ったまま茂みの方に手をブランと下げていると狙われる可能性があります。

 

私は小籠包とゆで卵を盗まれたことがあります。

 

それからこれも中国南部ですが、密林に入る時には毒ヘビ対策が必要になります。アマガサヘビやキングコブラなど、数種類の毒ヘビの分布域ですので、夏場は特に注意が必要です。

 

その他大型の野生生物については山へ入ってもほとんど出現することはありません。

 

衛生編

13、食品衛生

これも中国へ行くとなると心配になる、大きなトピックですね。

 

食品衛生については政府が主導してよく摘発を行っていますから、年々格段に向上している、と言っていいのではないでしょうか。

 

一時期有名になったドブ油や、食べ残し食品の使い回しについては、あからさまなところではまずなくなったと言えるのではないでしょうか。

 

もしもどうしても気になる方がいたら、今では綺麗な店構えをしたお店もあちこちにありすから、そういうところで食事を取るといいと思います。

 

道端の屋台とか、汚らしい小店とか、そういうところのほうがうまいんだよな、という方でも、衛生について極度に敏感になる必要はないでしょう。中国もいまはSNSで一瞬で拡散してしまう時代ですから、誰もがお腹を壊してしまうようなあからさまな不良品はほぼ売られていないと言っていいでしょう。そういうところで食べると本当に美味しいですからね。

 

一部地域では、レストランで梱包された消毒済みの食器を、熱いお湯をかけて自分で消毒することがあります。これは本当に消毒の必要があるからそうしているわけではなくて、食事の前の一種の儀式みたいなものですから、マネしてもマネしなくても、どちらでもいいでしょう。

 

14、水

水道水は飲まないほうがいいと思います。

 

中国では一般的に、水道水はいちど煮沸したら全部飲める、というふうに考えられていますが、私はそれでもやっぱり飲み慣れないので、水はお店で購入して飲むようにしています。

 

ちなみに、中国でよく売られている天然水というと、緑の「Cestbon」青の「康师傅」赤の「农夫山泉」があります。一般的に赤いのが緑と青よりも1元ほど高くなっていますが、これは保存料が入っているか入っていないかの違いによる値段の差なんだそうです。添加物が気になる方は赤いのを飲むといいでしょう。中国で健康サプリの勧誘を受けた時にそう教えてもらいました。

 

15、トイレ

中国では、大都市から農村まで、本当にいろいろなバリエーションのトイレがあります。

 

大都市のトイレは、日本のトイレと同じくらいキレイなところもポツポツと増えてきました。しかし全体的に言って、あまり期待をしないほうがいいと思います。トイレ自体がおしゃれに作られていたとしても、前の人の使い方が汚かったりして、がっかりしてしまうかもしれません。

 

たまに紙が設置されているトイレもありますが、基本的にないものだと思ってください。紙は自分で用意しておくのが良いでしょう。

 

それから注意が必要なのが、紙を流せるタイプのトイレと、流せないタイプのトイレがあるということです。紙を流せないトイレにうっかり紙を流してしまうと、トイレが詰まい、面倒くさいことになります。流せるか流せないかの見分け方としては、トイレの個室に紙用のゴミ箱があるかないかで判断するといいと思います。

 

中国では洋式トイレは少数派で、ほとんどが和式トイレです(これをどうして「和式」というのかわからない)。中国でいろいろなタイプのトイレを体験していくと、自分の今までのトイレ観が刷新できるはずです。

 

16、地面

地面ってなんやねん、と思うかもしれませんが、日本と中国で地面に対する衛生観念が少し違うので、触れておいたほうがいいかな、と思いました。

 

日本だと、カバンを地面に置いたり、そこらへんの段差や階段に腰掛けたりするのは当たり前かもしれませんが、中国ではあまりそういうことをしません。現在ではもうだいぶ少なくなりましたが、立ちションをする人や、その辺でタンを吐く人がやはりいますので、地面に対する衛生観が違うのかなと思います。

 

 

以上になります!

 

少しでも中国旅行の参考になればと思います。

 

また何か思い出ししだい随時更新していきますね。

 

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大学に届いた宅配便の山。屋外に放置されていても持って行かれることがないのがいつも不思議でしょうがない